## 🍃 澄むという瞬間に、心を澄ませる
朝の岐阜。
山々の稜線が霧に包まれ、清流は音もなく流れている。
その静けさの中に、ふと「澄む」という言葉が浮かんだ。
「澄む」とは、ただ透明であることではない。
空気が澄む、水が澄む、心が澄む――それぞれに違う意味があるようで、どこかで繋がっている。
それは、余計なものが取り払われて、本来の姿が現れる瞬間。
今朝、川辺に立ってみると、水面が鏡のように空を映していた。
風はなく、葉の揺れもない。
ただ、白鷺が一羽、静かに佇んでいる。
その姿に、時間が止まったような感覚を覚えた。
澄んだ空気は、季節の変わり目を知らせてくれる。
夏の熱気が少しずつ引いて、秋の気配が忍び寄る。
木々の葉が色づき始め、朝の光が柔らかくなる。
そんなとき、人の心もまた澄んでいくのかもしれない。
忙しさの中で、私たちはいつの間にか濁ってしまう。
情報、感情、予定、期待――それらが積み重なって、心の水面が揺れてしまう。
でも、自然の中に身を置くと、少しずつその揺れが静まり、澄んでいく。
「澄む」という言葉には、祈りのような静けさがある。
それは、何かを求めるのではなく、ただそこにあるものを見つめること。
そして、自分自身の内側にある透明な部分に気づくこと。
今日の岐阜の空は、澄んでいた。
それだけで、心が少し軽くなった気がする。
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